【ダイヤモンド相場】「No.4」グループの価格水準について【週間レポート】
今週は一つの価格グループに注目し、カラットごとの違いを見ていこうと思います。そのグループとはこちら
「No.4」グループです。ちなみにこの呼称はダイヤモンドブースで勝手に呼んでいるため一般的ではありません。あしからず。
さて、「No.4」グループですが、これは、ベストグレードである「D IF」
や、「E IF」「D VVS1」の「No.2」グループ
に次ぎ、4番目の価格を争う「F IF」と「E VVS1」によって構成されたグループです。前の3つに較べて営業的な売り文句が少ないため販売側としては売りにくいものですが、その分よけいなプレミアムがつかないため玄人好みのグループです。下のグラフはここ3ヶ月の推移となりますが、ときどき交わりながら概ね同じような動きをし上昇傾向にあります。
ところが、この「No.4」グループに追随するグレードが出てまいりました。「No.4」グループに次ぐ水準である「D VVS2」です。12月の末から急上昇し、その水準を維持しています。
「D VVS2」を「No.4」グループに入れてみたところこうなりました。7万円の大台を超え、堂々の「No.4」グループ入りです。
違和感ありませんね。そもそもこのグループ分けは10月14日の価格水準を基準としているため、その後の変動によってグループの構成は変わります。「D VVS2」は大きく伸びており、今後「No.4」グループはこの3つのグレードとみてよいでしょう。
では、他のカラットでも見ていきましょう。まずは0.4カラットの「No.4」グループを構成する2つです。
0.3カラットよりも入れ替わりと価格差が大きくなっています。そして、0.4カラットの場合、下のグレードの追い上げが更に激しくなっています。まずは0.3カラットと同様に「D VVS2」
そして、更に下のグループにいる「D VS1」と「D VS2」です。
なんと、更にしたのグループにいた「E VS1」も急上昇しています。
これらを「No.4」グループにまとめてみたグラフがこちらです。
4ヶ月ほどのスパンで見てみると集約の動きがよく分かりますね。もともと2つのグレードでできていた「No.4」グループですが、最終的には6つのグレードがまとまってきました。そのうち3つのグレードはカラーDというところも特徴的です。
続いて0.5カラットを見てみましょう。「No.4」グループを構成する両グレードともほぼ横ばいです。
これに対して、一つ下のグループからは「G IF」と「D VVS2」がむしろ入れ替わる勢いです。
「No.4」グループに合体させたグラフがこちらです。
4ヶ月の推移で見てみると、0.5カラットの場合はもともと「No.4」グループは「F IF」が単独であり、そこに「E VVS1」「G IF」「D VVS2」が集まってきた形です。
0.6カラットではどうでしょうか。最近の傾向としては「F IF」が常に「E VVS1」をリードしています。一度も順位の入れ替わりがないところが特徴です。
一つ下のグループはこのところの上昇傾向をして密集してきています。
さらに下のグループからは「D VS1」と「E VVS2」が「No.4」グループに入る水準です。
全体を同時に表示してみます。「F IF」を超えるものはありませんが、「E VVS1」は途中で4つのグレードと入れ替わりをしています。
4ヶ月の推移で見たところ0.5カラットとは逆に、元々ある程度の幅に均等に並んでいたものが、途中でそれぞれ上下に振れながら最近になって再度密集してきた形です。
0.7カラットに参りましょう。「No.4」グループの2つのグレードはくっついたり離れたりを繰り返し、最近ぐっと近づいています。やはり「F IF」が上にいることが多いですね。
一つ下のグループは全体的に横ばいで、「No.4」グループには届かない様子です。他にはない特徴です。
0.8カラットでは「No.4」グループの2つのグレードはこのところ下落傾向にあります。
一つ下のグループでは「D VVS2」が上昇にあり、水準としては「No.4」グループを超えてしまいました。
2つのグラフを合わせたものがこちらになります。「D VVS2」を合わせた3つのグレードが「No.4」グループを構成しているといってよいでしょう。
4ヶ月の推移では、0.5カラットと同じようにもともと「F IF」が単独で存在し、それ以外は密集する状況でした。この4ヶ月で「F IF」が急激に下落しており、横ばいであった他のグレードと新しい「No.4」グループを形成している形です。
では0.9カラットを見てみます。他とずいぶん違いますね。グループと呼ぶには離れすぎている気もします。また、「E VVS1」が「F IF」よりも上回っているいることも他にはない特徴ですね。
一つ下のグループを見てみますと全体的に上昇傾向にありますが、「E VVS1」に迫るほどではありません。
「F IF」と併せて「No.5」グループを形成している形です。
それでは最後に1カラットを見てみましょう。1月に入ってから「F IF」が急落し、「No.4」グループから離脱しそうです。
一つ下のグループではもともと高水準にあった「D VVS2」が横ばいで、他の2つは下落傾向にあります。
「No.4」グループと「D VVS2」を合わせたところ、なんと、そもそも「No.4」グループとは「D VVS2」が単独であったようです。
4ヶ月前の水準を見てみても、1カラットの場合は「D VVS2」「E VVS1」「F IF」の3種類で構成され、最近になってばらけてきたということになります。
さて今週は、価格水準で第3番めに位置する「No.4」グループをカラットごとに見てまいりましたが、一言でいって「カラットごとに違う」ということです。「F IF」と「E VVS2」の動きだけではなく、「D VVS2」の位置づけもカラットごとに変わります。0.3カラットを基準に便宜上グループ分けをしてきましたが、需給や消費動向によってグレードごとの価格は大きく変わり、グループもまた変わるようです。
ダイヤモンドを購入する際には、特定のカラットや特定のグレードだけに注目せず、全体を通してお手頃なグレードを見つけられるとよろしいでしょう。
※ このグラフで使われている価格は、ダイヤモンド取引所のサプライヤーから約30000個の価格データ(アメリカドル)を取得しグレードごとに平均を算出しています。 円換算に使用する為替レートは1ドル99.41円とし、これは12月19日現在の90日平均価格となります。
【祝祭日/イベント】
● 1/31~2/7 旧正月(中国)
○ 2/6~2/9 サンクトペテルブルク・宝飾業国際フォーラム(ロシア)
○ 2/8~2/10 チェンナイ・ジュエリー&宝石フェア 2014(インド)
【ニュース】
【オークション】52.58カラット カラーD クラリティIF ゴルコンダ ダイヤモンドは11億円【クリスティーズ】
【ダイヤモンド相場指数】 Dalumi社:合成ダイヤモンドの混入を告発 【ニュース】
【ダイヤモンド相場指数】アントワープダイヤモンド銀行の中国資本による買収【ニュース】