clarity(クラリティ)とはダイヤモンドの内包物や傷の程度を表すグレードです。内包物や傷のない「Flawless」から、肉眼で見ることができるほどの内包物のある「I」まで大きく6段階に分かれています。内包物が少ないほど取引価値は上がります。
下の表はGIAによるクラリティの鑑定基準ですが、SIクラス以上であれば内包物が肉眼で見ることができない程度であることを留意ください。
内包物も表面の傷もありません。
フローレスと呼びます。記号としては「F」や「FL」という表現もあります。
クラリティグレードの最上級として厳重に扱われます。アクシデントで傷がつくことを避けるため触れないようにケースに封印されていることが多いです。
ジュエリーにセットされると爪の部分が当たるため、業者間取引ではひとつ下のグレードである「IF」に格下げされます。ルースとして存在することに意味があるグレードとなります。
Internally Flawlessの略で、内包物はなく、表面に微細な傷があります。
Flawlessがジュエリーにセットされにくいグレードであるため、実質的にジュエリーとなったダイヤモンドの最高グレードとなります。
最高グレードのため取り扱いは細心の注意が求められ、業者間の取引の際には通常使われるピンセットを使わず、指で取り扱うというルールがあります。
10倍拡大で、熟練鑑定士により、上面からの視認が極端に困難もしくは裏面からのみ可能
内包物は肉眼ではもちろんルーペによっても見つけることが困難で内包物のあるなしは気分的な話になります。
FlawlessやIFが価格にプレミアムが乗る一方、実質的な価格となるベストクオリティです。
10倍拡大で、熟練鑑定士により、視認が非常に困難
肉眼では見ることができずルーペでもほぼ見つけにくいレベルの内包物です。
実際的な意味では「傷が見えない」ですが、VVS1とVSの間に挟まれたあやふやな位置づけであるため、マーケティング的には売りにくいと考えられています。そのため、価格がリーズナブルになりやすいグレードです。
10倍拡大で、鑑定士により、視認が困難なもの
内包物はルーペを使えば見つけることができる大きさや位置となります。VVSの内包物が僅かな「点」であるのに対して、VSになると「ぽつん」とした点になる印象です。
肉眼では内包物が見えないレベルであるため、ブライダルグレードとして婚約指輪に人気です。そのため、需給的な面から価格が高騰しやすくVVS2とあまり変わらないほどになることもあります。
10倍拡大で、鑑定士により、視認がいくぶん容易なもの
内包物の位置がテーブル面であったり、色が黒かったり、数が複数であるという理由から、ルーペで比較的簡単に見つけることができるグレードです。
ただし、内包物の大きさは「点」であるためダイヤモンドの輝きに対する影響は全くないと言っても差し支えありません。
ダイヤモンドが大きくなると肉眼で見えないこともないため、気になる方は避けたほうがよいでしょう。
10倍拡大で、鑑定士により、視認が容易
VSグレードの内包物が「点」であるの対して、SIになると「面」になった感じです。SI2との違いとしては、SI1は内包物の色が白くサイズ的にも数的にも少ないレベルです。
傷があることはルーペで明らかに分かりますし、肉眼でも見える場合があるため、ブライダルではなく「ジュエリーグレード」と考えられています。ピアスやネックレスにピッタリです。
10倍拡大で、鑑定士により、視認が非常に容易
SI2となる内包物は黒いものが多く、肉眼でも比較的簡単に見ることができるようになります。SIクラスの内包物は面になっているとはいえ、サイズ的にはそれほど大きくはないため、輝きに対する影響はあまりありません。
価格的には、内包物のタイプによって振れ幅が大きくなり、ダイヤモンドにしては「安い」と思われる場合はSI2であることが多いです。
肉眼で、視認が可能
明らかに目に見える大きさの内包物があり、ダイヤモンドの面積に対しても相応のサイズとなるため、輝きを阻害するレベルです。
ダイヤモンドのキラキラした輝きが少なくなるため価格はぐっと安くなります。通販サイトや通販番組、通販雑誌などで使われることが多く、通販グレードと考えられています。
肉眼で、視認が容易
黒い斑点や黒い亀裂が全体の広がっているグレードで明らかに「傷だらけ」と分かります。
ダイヤモンドと呼べるけれどダイヤモンドと言って良いのかという疑問もありながら、値段が安いために使われるグレードです。写真と実物の解離が大きかったり、手元に届いてがっかりするレベルです。
※ 写真は「GIA」提供の「4c グレードツール」によります。